引き続き、前掲の内容に関して、「労働者に営業ノルマ未達成分や売れ残った商品の買取を強要する」いわゆる自爆営業が、パワーハラスメントに該当する可能性を厚労省は示唆した。
使用者としての優越的な立場を利用してハラスメントを行う場合など、一定の要件を満たせばパワハラに該当するが、自爆営業をパワハラの一類型として指針に明示できないかを検討している。
ここで、自爆営業を指針に明示した場合にどのような影響があるか、私見を述べていく。パワハラ防止法等の行政指針に、自爆営業をパワハラの一類型に明示した場合、都道府県労働局は各使用者に是正勧告措置を取るよう要請することができるものと解す。
また、是正措置が実施されない場合には、企業名を公表されるという制裁を使用者は受けることになる。民事訴訟上でも、少なからず影響があり、裁判所は、時より行政指針を参考に判決をくだすことがある。
加えて、被害労働者が労働局へ調停申請、或いは社労士会等が実施するADR等を活用し、労働紛争により解決する事案も増加するのではないかと推察する。
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