【重要】同業他社で働くことを禁止(職業選択の自由)

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 この記事は、同業他社で働くことを禁止できるのかについて、知らない人向けに、私が分かりやすく解説する記事です。

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【重要】同業他社で働くことを禁止(職業選択の自由)

同業他社勤務禁止とは

近能 弘章
近能 弘章

ここでは、同業他社への勤務禁止とは何かについて紹介します。

 同業他社への勤務禁止(以下、競業避止義務と言う。)とは、一般的に会社が従業員に対し、当社就業期間中または退職後に、同業他社で働くことを禁止することを言い表します。

 しかし、憲法22条に「職業選択の自由」が定められていることから、原則会社は従業員に対し、競業避止義務を課すことはできません。

競業避止義務を課すには

 本来は、競業避止義務は憲法第22条に抵触するため、当該義務の同業他社勤務禁止を従業員に課すことは、違憲であるものと解されます。

当該義務を従業員に課すためには?

 競業避止義務を従業員に課すために、就業規則にその内容を規定し、労働者代表の意見を聞いた上で、就業規則を周知することが必要です。

 以下、規定例。
第61条(競業避止義務等)
1、従業員は、従業員が会社に雇用されている間に会社の事業に関した着想又は発明等は職
務の一部に該当するもので会社に譲渡すること、又、雇用契約終了後もこれらの権利を
第三者に譲渡してはならない。
2、業務上あるいは業務外に知りえた会社の事業に関する文書・機密を在職中はもとより、退職後においても会社の業務以外に使用したり、会社以外に漏らしてはならない。
3、退職後は、会社の承認なしに退職日から1年間、同県内の会社と競合する業種で働いて
はならない。
4、競合他社に転勤する場合は、退職金を半額にする場合がある。
5、在職・退職に関わらず関係者について知り得た情報を漏らしてはならない。
6、前各号に違反した場合、かつ、会社が損害を受けた場合は、その実損害額の賠償責任請求を行う。

規定したうえで対策すべきこと

 ここから先は、就業規則で上記内容を規定した後について述べていきます。

 たとえば、従業員が退職届を提出する際に、退職後に同業他社で勤務することを防ぐ為に、社長がその従業員に、「期間」と「地域」を限定して同業他社で働かないよう伝え、仮に従業員が同業他社で働きたい意向を示した場合には、退職金を半額にする旨伝え、当該措置を行うことは可能であると推察します。※しかし、裁判上では裁判官の裁量により判決される点を鑑みると、必ずしも上記の措置が適法であるとは言えません。

まとめ

 今回の記事では、競業避止義務について執筆致しました。

 同業他社で働くことを禁止することは、違憲行為ですので許されませんが、事前に就業規則に競業避止義務規定を定め、周知することで、一定程度許されるものと推察します。

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