同一労働同一賃金について知りたい方 「最近、同一労働同一賃金という言葉をよく耳にするけど、どういうことなのだろう?」
こういった疑問に答えます。
✔ 本記事のテーマ
【初心者向け】同一労働同一賃金(基本理解)
✔ 記事の信頼性
記事を書いている僕は、社会保険労務士・行政書士実務経験五年。
✔ 読者さんへの前向きなメッセージ
本記事では「同一労働同一賃金について、基本的なことを知りたい」という方に向けて書いています。
この記事を読むことで、「同一労働同一賃金」をイメージできるようになると思います。
控えめに言って、社会保険労務士・行政書士で人生が変わった僕が、社会保険労務士・行政書士に感謝の気持ちを込めつつ、記事を執筆します。
✔ この記事を読む読者さんの特徴
本記事を読まれる方は、同一労働同一賃金について意識が高い方です。本記事を読んでくだされば、基礎知識を養うことができます。
それでは、さっそく見ていきましょう。
同一労働同一賃金とは?
あなたに質問します。同一労働同一賃金の制度をどの程度理解していますか?
この記事では、同一労働同一賃金についての基本的知識について述べます。
「同一の労働である場合に同一の賃金にしなければならない。」という理解は概ね合っていますが、この記事ではより具体的に述べます。
同一の労働であれば、同一の賃金を支給するという理解で十分では?
確かに、上記の理解で十分かと思いますが、同一労働同一賃金に関して実務上理解し難いケースが存在していることが、実状です。
実務的観点を含めて、僕の見解を述べていきます。
まずは基本を理解
僕は、同一労働同一賃金に関する労働局の調査に立ち会った経験も活かし、これから、基本事項を中心に解説していきます。
同一労働同一賃金に違反した場合
名前の通り、同一の労働をした従業員達は、同一の賃金を支給されなければならないという意味ではあります。以下具体的に述べます。
同一労働同一賃金は、裁判例の積み重ねにより発展してきた概念であり、現状裁判例を参考に考えていく必要があります。ハマキョウレックス事件等を熟読すると、まずは同一の労働をしている従業員間の基本給は同一にしなければならないことを前提に、通勤手当、精皆勤手当、家族手当、慶弔休暇手当等、直接職務の異同に影響されない手当については、合理的理由なく差を設けてはならないとされています。一方、賞与等は労働者の功労に対する報酬であるという概念を含むことから、差を設けることに対してある程度許容しているものと推察します。現状、労働局等は、一人の労働者を選定し、他の同一職務内容の労働者と賃金等を比較する等の調査をしていますが、仮に問題点が発覚した場合には、是正勧告及び勧告に対する懈怠により公表という限度で制裁を行政は各企業に課しています。つまり、同一労働同一賃金が問題となる主な状況下は訴訟であると結論付けます。
現状、同一労働同一賃金に違反している企業は、訴訟上敗訴する可能性があることに留まるといって差し支えないと私は推察します。
最も影響を受ける職種は?
同一労働同一賃金により、最も影響を受けた企業は、派遣業であると私は考えます。
都道府県労働局やハローワークが公表する、賃金の統計調査票に基づき、派遣会社は雇用従業員の最低賃金を労使協定等を経て決めなければなりません。くわえて、その賃金水準は一般の最低賃金を大きく上回っています。ですので、頭をかかえる派遣業の経営陣は、現状多く存在しています。
まとめ
本記事では、同一労働同一賃金の基本的知識のみをお伝えしました。
同一労働同一賃金は、裁判例の積み重ねにより確立したものであるため、法令でしっかりと定義された概念ではありません。ですので、現状成長段階の概念ではあります。現状、最高裁の判例を基に概念を構築してい段階であるといえるので、今後の裁判の動向をしっかり確認していくことが重要であると私は考えます。
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