事業縮小により従業員を解雇できるのかを知りたい方 「経営が悪化し、人員過剰を理由に従業員を解雇できるのか?」
こういった疑問に答えます。
✔ 本記事のテーマ
【不当解雇】事業縮小による解雇(違法)
✔ 記事の信頼性
記事を書いている僕は、社会保険労務士・行政書士実務経験五年。
弁護士による労働紛争関連の研修を複数回受け、慶應義塾大学法学部で労働関連の研究を行った。
✔ 読者さんへの前向きなメッセージ
本記事では「事業縮小により従業員を解雇したい」という方に向けて書いています。
この記事を読むことで、「事業縮小を理由に、その従業員を解雇してよいのか否か」をイメージできるようになると思います。
社会保険労務士・行政書士で人生が変わった僕が、社会保険労務士・行政書士に感謝の気持ちを込めつつ、記事を執筆します。
✔ この記事を読む読者さんの特徴
本記事を読まれる方は、労使紛争等の防止策など、労務に関して意識が高い方です。私がご提案する内容を一つの判断材料という気持ちで読んでいただければ幸いです。
それでは、さっそく見ていきましょう。
労働基準法上の違法性と訴訟上の違法性
あなたに質問します。労働基準法上の違法性と訴訟上の違法性に違いがあることをご存知でしょうか?
労働基準法上の違法性と労働局によるあっせん・調整、労働審判、裁判において裁判官等が判示する違法性には決定的な違いがあります。
労働基準法上の違法性を理解するために、ここでは、必要な知識を私が述べていきます。その知識を得た上で、最終的に判断していくのは、この記事を読んでいるあなた自身です。
話が複雑で分からない。もっと分かりやすく説明して!
この領域はどうしても法律論になってしまうので、出来るだけ分かりやすく説明していきます。
これから、僕の見解を述べていきます。
具体的内容
これから、労働基準法上の違法性と訴訟上の違法性の具体的内容について述べていきます。
労働基準法上の違法性
労働基準法上の違法性は、同法第20条に定められています。
労働基準法第20条:使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
労働基準法上の違法性の判断基準は、上記の内容を逸脱した行為をしたか否かです。したがって、上記を満たす行為は、労働基準法上適法の行為であると結論付けることができます。
訴訟上の違法性
労働基準法上適法な解雇であれば、使用者に罰則が科されることはありません。しかし、解雇された従業員が不当解雇だといって訴訟を提起した場合に、争点と成るのが使用者の行為が訴訟上違法か適法かです。
事業縮小による解雇の場合は、・①経営悪化している客観的な証拠が有るか否か、かつその程度が従業員を整理解雇をするものであること、・②使用者が退職希望者を募ることや配転、出向、従業員の給与減額など解雇を回避努力を使用者がしているか否か、・③整理解雇対象者が、正社員以外の者や勤続年数が短い者など、対象者選定に合理性が有るか否か、・④整理解雇をする理由等を従業員に説明会等を通じて周知し、解雇対象者の弁解の余地を与え得るなど、手続きの妥当性が有るか否か、などが争点になるものと思われます。※これは、色々な裁判例を読了した私の個人的な見解であり、裁判所は事案により個別具体的に審査する為、審査する争点は毎回変化するものと思われます。
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まとめ
本記事では、事業縮小により、使用者は従業員を解雇できるのかについて、述べました。
その判断材料として、第一に、労働基準法第20条に抵触していないか否かを確認する必要があることについて述べました。
第二に、訴訟上の違法性に抵触していないか否かを確認する必要があると述べました。
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